「旅立つあなたへ -自分を愛するための20章-/五木寛之著(毎日新聞出版)」を読みました。
『旅立つあなたへ -自分を愛するための20章-/五木寛之著(毎日新聞出版)』を古本で見つけ、読みました。
50年にわたる著者、五木さんの文章が集められ、懐古ではなく、きたるべき未知の世界に足を踏み出す時に自己の足場を確認しておきたいという本でした。
2019年発行となっておりました。
タイトルに「旅立つあなたへ」とあるように、自分に死というものが近づいてきたときに、今までの過去をどう思うのか、死というものが自分にとってどういうものとして捉えたらよいのか・・という本だと理解しました。
いくつか気になったところを抜き出してみると
世の中で立派な仕事を為し、功績を残した人には拍手をするが、必ずしも尊敬する必要はないのではないか。
そんな人は、人並はずれた野心、才能を持って生まれてきたことを、謙虚に感謝すべきであり、それ以上の必要はない。
というわけです。私もいつもそう思っていたことでした。
競争社会で生き抜くようなファイトに欠ける優しい心の持ち主、誘惑に負けやすい人柄、欲望というものが希薄な人、野心のない人、・・・これ私のことか・・そんな人が競争社会で脱落したり、無名で平凡な一生を終えたとして、それは本人の責任ではない。
ましてやつまらない人生でもない。
とも書かれていました。
私もそう思います。
それから人間というものは、老い衰えていく肉体と長く共生しなければならない。
どんなに資産があっても、大きな権力を握ろうと、優れた知性を身につけようと、生涯この貧弱な肉体と共に生きるのだ。
というお話にも、深く共感いたしました。
最後にもうひとつ。
人間は誰もが心の中に鬱屈とか、憂鬱な気持ち、暗い気持ちを持っている。
それは表に出しにくいので、皆、仮面をかぶってお互いにそれらを見せずにつきあっている。
そうなんだよな、そうなのに強く見せようとして“突っ張って”いる人を多く見ます。
私もここ数年、「死」について考えることが多くなりましたが、この本を読んだ今は、今までのことを卑下せずに、なるべく肯定しつつ、悩みながらも苦しみながらも死に対峙していきたいと思いました。
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