「私はそれを我慢できない/鷺沢萠」を読みました。
『私はそれを我慢できない/鷺沢萠(さぎさわ・めぐむ)著(新潮文庫)』を古本で見つけ、読みました。
1995年に大和書房から刊行されたエッセイ集の文庫化で1998年に発行されたものでした。
タイトルにある「我慢できない私」の大解放というか、著者鷲沢さんが“怒っている”エッセイを著者自ら時間をかけて集めたものとなっていました。
最初っからその怒りっぷりが可笑しく、吹き出してしまったのですが、この本が刊行された頃の様子がカバーの最終ページや著者紹介の部分に記されていて、数々の大きな賞の候補にノミネートされたり、実際に受賞した作品もあり、有名人であったことがわかるのに・・私が今現在でこの方の作品にふれていない、そしてお名前も聞いていないことに不思議を感じ調べてみました。
この怒りのエッセイが著者二十代の頃のことばかり書かれていたのですが、著者は35歳で亡くなっていていた(自死)ことがわかりました。
笑いながら読んでいたのに、そんなことが途中でわかってしまい、複雑な気持ちになってしまいました。
このエッセイの中でも二十代初めに離婚したことや、たぶん六本木あたりで知り合った覚えてもいない人から深夜に電話をもらったりしている話、住まいをかなりの頻度で変えたり、最初は匿名で書いているのに、思わず名前を出してしまいながらエピソードを紹介してしまったり、友達のことをふざけながらではありますが、“悪し様”に批判したり、クルマには男に惚れるがごとくに乗り換えたり・・と、けっこうやりたい放題な生き方が男勝りだと感じたりもしながら読みました。
だから、このエッセイの“怒り”の話題が光り輝いて面白かったのです。
でも、35歳でこの世を去ったことが頭から離れず、どうやら遺書らしきものも無かったということも調べているうちにわかり、ますます謎めいた著者の存在にあらためて奇妙な魅力や著者との古本での出会いに何か因縁めいたものまで感じているところなのです。
とにかく面白かった、でも何だか不思議な空気が漂っていた。
そんな印象で読了いたしました。
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