「頭の旅/外山滋比古」を読みました。
『頭の旅/外山滋比古著(毎日新聞社)』を古本で見つけて読みました。
初出が1982年~1997年の『毎日婦人』で、2010年に、この「頭の旅」として発行されたものでした。
ですから、ものによっては四十年以上前の話になっているのですが、でも、ものごとには“普遍的”なものが内包されていて、実に滋味深い内容となっていました。
まずは文章が読みやすい。
日本語としてわかりやすい。
わけのわからない“物言い”をしない。
屁理屈をこねない。
自分がほんとうに思ったことを誇張なしに書いている。
そんな外山滋比古さんの人となりがわかるような、静かで優しい本でした。
知り合いからわけてもらった「水」がおいしくて、それで米を炊いてみたらこんなにおいしいごはんになった。
とか
今まで食べなかった「しるこ」が、京都を歩いていた時に、急にひと休みしたいくなり、「しるこ」が欲しくなって、お気に入りの「しるこ」を見つける話。
さらに帽子や、万年筆の話もありましたが、どうということもない話を淡々とされて、それがなんだか読んでいるこちらにじわじわと、やさしく沁みてくるのです。
もう、今どきのエッセイなどを読んでも味わうことのできない世界です。
このくらいのテンポと、話の展開のわかりやすさで構成されたエッセイ、今の作家で読んでみたいものです。
突然怒り出したり、読者を勘違いさせて喜んでみたり、最後に罠にはめるようないやらしいことをしたりするのは、「ご勘弁」です。
いい時間を過ごせた良い本でした。
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