銚子、円福寺寺宝展で見ることの出来た古文書の内、珍しい暦の裏紙を使ったものを見せていただき、一句詠みました。
【 冬うらら 暦(こよみ)の裏に 灌頂記(かんじょうき) 】
《背景》季語:冬うらら[冬]
前回に続いて銚子、円福寺の寺宝展で出会った古文書についての一句。
貞和5年(1349年)以降、東寺で写された古文書。
年数がはっきりしているのは、貞和4年の具注暦(ぐちゅうれき)という暦(こよみ)の裏面を利用して写しが作成されているため(※紙は貴重だった)。
亀山天皇が一人前の密教行者となるための儀式『伝報灌頂(でんぽうかんじょう)』の記録とのこと。
展示物を見ると、たしかに暦の裏紙であり、表から見てもそれが透けて見える。
銚子・円福寺の寺宝展。室町時代に天皇含めた出勤簿が?!で、一句。
【 冬ぬくし 室町に 出席簿有り 】
《背景》季語:[冬]
銚子の円福寺には、日本の宝、世界的に見ても貴重な古文書が保存されています。
第19回寺宝展で慶応義塾大学教授・佐々木孝浩先生の解説を聞きながら貴重な古文書を目の当たりにした。
室町時代の宮中では、首到和歌といって、毎日指定の場所に出向き、定められた題の和歌を毎日一首詠んで所定の紙に書き付ける形式が盛んだったのだそう。
天皇は歌だけで署名する必要はなく、その女房も署名することなく、ただ二行目の最初を一段下げるとのこと。
後土御門天皇とその女房、さらに多くの出席者の歌と署名がありました。
文明12年(1480年)の自筆です。驚きました。
『梅棹忠夫 語る/梅棹忠夫(語り手)小山修三(聞き手)(日経プレミアシリーズ)』という新書版サイズの古本を読みました。
2010年に第一刷発行となっています。1920年生まれの梅棹氏の話を1939年生まれの小山氏が聞いていく形で進められた本でした。
前半は梅棹さんが南極観測や、様々な国の文明の生態史観のためにいろいろな国に出かけ、どんなフィールドワークをやったのか、また記録の仕方、残し方などについて語っていましたが、偏見なしに現地で見たもの、聞いたことそのものを残していくにはどうしたらよいのかということが語られていました。
それには「絵」も必要で、風景については写真だが、いろいろな民族的な道具などは絵がいいと、それもわかりやすく、さらにそれらを記録する文もわかりやすく、さらに論文という形になっても誰にもわかりやすいものにすることが大切だとおっしゃっていました。
大切なことだと思いました。
いつ頃からか、学術的な文章って、“わざと”わかり難く、難解なものが多いと感じていました。
さらに新書版などで書き下ろしで出されるものについてまで、「何言ってんだかわからない」(^_^;)ややこしい文章が多いと私は感じていました。
・・私がいまひとつ理解度が低いことも要因かと思われますが・・。
この“語り”での梅棹氏のおっしゃっていることは、ご本人が言うようにやはり分かりやすいものになっていました。
それから後半に入ってとても印象的だったのは、梅棹氏は《情報》というものを当時からとても大切な“産業”であると語っていることでした。
『知的生産』と呼び、情報をひとつの産業と見ているのです。
その時代からの現実を見ていると、まさに『情報』が世の中を、世界を駆け巡り、“席捲”しています。
情報に大きな価値があることを当時から強調されていたことがわかりました。
今からでも遅くない、現在日本は情報に“翻弄”されているのではないかと思うのですが、情報というものに大きな価値を認め、その立ち位置をしっかり見つめることが大事じゃないかと思います。
大谷選手の結婚の話題だけで、二十分も三十分もコメンテーターという名のあやしい人たちがニコニコわいわいやっている間に、大きな事が動いている・・それを情報としてしっかりと捉えないと・・と思うのです。
というわけで、2010年に梅棹さんは亡くなられていますが、先人の知識や語りには耳を傾け、自分はどう感じるか、考えるか、ということが大切なことだと感じた一冊でした。
『<主婦>の学校(The School of Housewives)/2020年 アイスランド 監督:ステファニア・トルス 出演:※ドキュメンタリーのため、現実の生徒(卒業生含む)と校長先生他』
この映画は実際に北欧のアイスランドにある「主婦の学校」のドキュメンタリーです。
しかも男女共学で、この学校が教えるのは「いまを生きる」ための智恵と技術です。
《自分のことが自分で出来ると、人生はきっと楽しくなる》っていう言葉が添えられていましたが、まさにそんな感じの学校でした。
アイスランドは2021年世界経済フォーラム公表の「ジェンダーギャップ指数ランキングで12年連続1位の“ジェンダー平等”先進国。・・日本は同ランキング120位だそうです(T_T)
「主婦」という概念を打ち破り、「主婦とは性別に関わりなく〈生活を大切にする〉営みを続ける人」であるというわけで(*^^*)、実に面白いドキュメンタリーになっていました。
特に何かストーリーがあるわけではありませんが、とにかく学校の授業や生徒達の寮での様子をありのままに撮り、飾り気のない、でも美しい画像で見せてくれます。
通常の生活全般の家事を実践的に教えるのですが、基本だけでなく、衣服の修理や食品ロスなどのサステイナブルなことを古くから教えていたというのも、この学校の魅力でした。
卒業生として登場する男性が何人かいたのですが、アーティストや、中には大臣もいました(#^.^#)
大臣自ら“大切なことをここで学んだ”と語っていましたが、どの卒業生も自分が受けた授業の話をするときはとっても“生き生き”としていて、この学校の良さがその表情からもうかがえました。
家で過すことの多くなったコロナ禍以降の暮しや家事のあり方まで問いかけてくれているように感じましたが、まずはこのあまりにも“自然体”な映画を多くの人に見てもらいたいと思いました。
人が毎日生活していくということが、それそのものが「人間」というものだと思いました。
なんだか、生きて行くことが楽しいことなんだ、と思えるような映画でした。
『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ/遙洋子著(ちくま文庫)』という本を読みました。
著者、遙洋子さんを私は存知上げておりませんでしたが、タレントとして関西で活躍されていた方のようです。
このブックオフで手に入れた本、いきなりタイトルがすごいことになっています。
上野千鶴子さんはあの東大入学式での有名な祝辞で私も存知上げておりましたが、あの祝辞をテレビ等で見て、いちいち頷きました。これだけ本音でものを言える人がいるのか、と思いました。
そして、それを批判する人がいたことも覚えています。
ジェンダー研究という新しい分野で“闘って”きた上野さんに「ケンカ」を教わるという面白いタイトルとなっていますが、「あとがき」を読んで、この本の内容はもともと上野教授から夏休みのレポートとして提出を求められたものであったことを知りました。
こんな過激で、正直で、読物としても面白い本が出来上がったのは、上野さんの怪物のような怖ろしい講義をしていることもありますし、著者のすべてをさらけ出したかのような智に対する、そして勉強に対する貪欲で、臆病で、がむしゃらな人間性にあるのだと思いました。
上野さんの講義の様子は、この本を読んでいるだけでも怖ろしくて私は教室にも入れないような気になりました。
でも、遙さん以外の東大生達の様々な生態も描かれていて、講義中のバトルのようなものにドキドキ、わくわくもしたのでした。
なぜ人は勉強するのか、なぜ人は人としてここに存在し、何を求めているのか、人はどうやってこの人生を生き抜いていくのか、歩いていくのか、などと私の勉強不向きな脳も考えさせられることになりました。
前のめりにぶっ倒れながらもどっこい生きて行く、勉強していく遙さんの姿勢に圧倒されつつ読了いたしました。
疲れたけど、その疲れは心地良かった。
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