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2025/09/24

俳句を詠んでみる_0566【 冷やか 雲に映る 世の斑(はだれ) 】

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冷やかに感じる空に浮かんだ雲を見て、世の中の不穏を詠みました。

【 冷やか 雲に映る 世の斑(はだれ) 】

《背景》季語:冷やか[秋]
長く暑かった夏もようやく峠を越したようで、秋の冷やかさを感じます。
でも、空を見上げると、暗雲が世の動きのように斑模様を見せています。
同じ人間なのに、作る必要の無い仮想敵を作り、人種や民族、性別、その他人が元々そうであるものを否定して平気で差別する。
挙句に武器を持て、軍隊を作れ、よその国ではそうして拡大した武器を使い、軍隊が殺戮を繰り返し、地獄絵図です。
あなたが差別されている側、殺されている側の人として生まれていたのなら、何を思いますか、と聞いてみたい。
世の斑は止むことを知りません。

 

2025/09/15

俳句を詠んでみる_0557【 嗤われつつ 総裁選 秋の空 】

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特定政党の総裁選で浮かれている人を見て呆れつつ一句詠みました。

【 嗤われつつ 総裁選 秋の空 】

《背景》季語:秋の空[秋]
調査結果によれば、国民の多くも、ましてや当事者である党の党員はもっと望んでいない首相退陣という事態になり、総裁選をするのだそう。
メディアは物価その他様々な問題を後回しにして行われる選出の有様をうれしそうに報道して呆れる。
手を挙げ、出てきた人達の物欲しげな表情にもがっかりする。
嗤われているのだともわからず“いい気な”ものだと詠みました。

 

2025/08/18

俳句を詠んでみる_0529【 あれは私と思えるか 西日が問う 】

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苦難、困難に遭遇した人、過酷な運命に嘆く人、自分のことと思えるか・・と、いつも自分に問うている、という句です。

【 あれは私と思えるか 西日が問う 】

《背景》季語:西日[夏]
西日が家に入り、まぶしい思いをした時に、戦争で亡くなったり、悲しい思いをした人や、たまたま、そう生まれた自分の人種や所属する民族が差別を受けたり、誹謗を受けたり、老齢になったからと、役立たずは自決しろと言われたり、そういう対象になった人・・・あれは私だと思えるか問われたような気になった。
あそこにいるあの人は“私”なのだと思えなければ、それは人としての価値は最低なのではないか。

 

2025/08/15

俳句を詠んでみる_0526【 嘘を忘れ 居直る 蜥蜴(とかげ)の如き 】

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自分の言ったことにも責任を取らず、居直ったり泣き落としたりする人達について詠んでみた。

【 嘘を忘れ 居直る 蜥蜴(とかげ)の如き 】

《背景》季語:蜥蜴[夏]
この夏に大きな国民の選択の機会があった。
有象も無象も居たが、嘘は水道の蛇口の如く吐き出され、言った傍からそれを忘れ、指摘されても居丈高に居直る。
あるいは「私達をいじめないでください」と、加害者が被害者を気取る。
このような人物、又は集団特有のやり方だ。
尻尾を自ら落とし、蜥蜴のように逃げて行く輩が勢力を得た。

 

2025/08/14

俳句を詠んでみる_0525【 終戦日を前に 原爆疎開知る 】

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ラジオの番組で本の紹介をしていた時に初めて知ったことを句にしました。

【 終戦日を前に 原爆疎開知る 】

《背景》季語:終戦日[秋]
「1945 最後の秘密/三浦英之」という本が新刊で出ていることを知った。
そこには終戦の日、8月15日には「新潟市」が“ゴーストタウン”になっていたという事実が書いてあるとのこと。
広島、長崎に原爆が投下され、次は新潟だと考えた当時の新潟県知事が『知事布告』を出して、8月15日には、17万人の市民が新潟市を離れていたという。
私は、別に1970年代に公開された米軍の機密文書を読み解いた本を読んでいて、新潟が原爆投下の候補として挙がっていて、「パンプキン爆弾」という大型の模擬爆弾も投下されていたということを知っていたが、市民をあげて疎開があったという事実を初めて知った。

 

2025/07/26

俳句を詠んでみる_0508【 炎暑に 横たう 選挙後の残骸 】

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国政選挙が終わったばかりですが、そこで一句。

【 炎暑に 横たう 選挙後の残骸 】

《背景》季語:炎暑[夏]
都知事選に続き、参院選挙も終わった。
この暑い日が続く夏に“残骸”とも見える結果が残った。
同じ人間なのに、一定の人達を“敵”と見做し、人を煽り、平左にしている者が残骸の中で笑い、あなた達困窮している人達の味方だと言いつつ、妻・家族・国民も知らぬうちに若い“色香”にうつつを抜かしていた男が高笑いをしている。

 

2025/07/17

俳句を詠んでみる_0499【 閻魔参(えんままいり)してほしい 立候補者 】

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閻魔参りという季語があるのを知って、すぐに思ったことを句にしてみました。

【 閻魔参(えんままいり)してほしい 立候補者 】

《背景》季語:閻魔参[夏]
7月15日の縁日には、地獄の釜の蓋が開くらしい。
なので、その日に閻魔様にお参りするのだそうで、閻魔様と言えば“嘘をつけば舌を抜かれる”という話も聞く。
今、国政選挙の真っ最中だが、駅頭に立ち、調子のいいことを言っている人達にお参りしてほしいと思った。
舌を抜かれるのは、あの人とあの人と、あの人と・・いっぱいいるなあ。

 

2025/07/16

「徳川慶喜家の食卓/徳川慶朝」を読みました。

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『徳川慶喜家の食卓/-徳川慶喜家当主- 徳川慶朝著(文春文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。

著者の徳川慶朝氏は、日本の写真家ですが、江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜の曾孫で、旧公爵徳川慶喜家第4代当主。母方を通じて松平容保の曾孫でもあるのです。

この本は2005年に刊行され、2008年に文庫化されたものです。
著者の徳川慶朝氏は、2017年に亡くなられています。

この本には、最後の将軍・徳川慶喜は大政奉還した後の生活では、割と質素な食生活であったことが書かれていましたが、それでもやがて東京の第六天町の屋敷に住まっていた時には、その敷地三千坪、屋敷内には五十人の人がいたそうです。
著者の父は、その屋敷で育ったとのこと。

興味深かったのは、大政奉還のあった年の三月二十五日から四月一日にわたって、慶喜公が大阪城に英、仏、米、蘭の四国の公使を招き、接見し、フランス料理で饗応したという部分でした。゜

慶喜公が密かに目論んでいた大君絶対王政の政治形態にもっていくための環境を整えようとしていたのではないか、ということでしたが、開国を迫る列強に、みずからの権威と存在感をアピールしようとしていたようです。

そのときのメニューが載っていましたが、凄いです。
何ページにも渡る豪華な料理で、ここを読むだけでこの本を読む価値があるくらいの内容でした。気になる方はぜひご確認を。

あの渋沢栄一は、若いときに一橋家の家臣で、慶喜公の弟、昭武氏といっしょにパリ万博に行った仲であったとのことで、第六天町の屋敷にも寄っていて、慶喜公がその頃食べていたもの、そして好きだった酒の種類についても書かれたものが残っていて、これもまた興味深いものでした。

著者の慶朝氏は、慶喜公も好きであったらしい珈琲が好きで、やがて茨城県ひたちなか市の「サザコーヒー」からの依頼で講演する機会があり、その際焙煎をしてみたいとお願いして、意外や本格的な珈琲豆を生み出し、「徳川将軍コーヒー」という名で売り出すことになり、かなりの売れ行きとなったことも書かれていました。
かなり深煎り(慶喜公も著者も、それにミルクを入れて飲むのが好きだった)だが、とても評判が良かったようです。

とにかく慶喜公についても、著者の慶朝氏についても、今まで知らなかったことが多かったのですが、次から次へと面白く、興味深い事実が明らかになって、楽しく読みました。
残念ながら徳川慶喜家第四代当主の慶朝氏は結婚しておらず、跡継ぎ無きまま亡くなられてしまいました。子供さんがいらっしゃれば、残された資料等からまだまだ新しい事実が世に出たかもしれません。

貴重な本を読ませてもらいました。

 

2025/06/28

俳句を詠んでみる_0480【 ダリアに訊いてみた 平和ってあるの 】

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毎日物騒なニュースを聞く中で詠んでみた。

【 ダリアに訊いてみた 平和ってあるの 】

《背景》季語:ダリア[夏]
庭のダリアが仲間同士でキリッと立っているように見えた。
イラン、イスラエル、アメリカの様相について今朝も新しい情報が流れていた。
「平和って本当にあるのかね?」と思わず話しかけてしまった。

 

2025/06/08

「役員室午後三時/城山三郎」を読みました。

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『役員室午後三時/城山三郎著(新潮文庫)』を古本で読みました。
昭和46年に新潮社から刊行されたものの昭和50年の文庫化版でした。

この作品は戦後、繊維業界の名門企業のワンマン社長が腹心だった部下にその椅子を追われるまでの経過を描いた経済小説でした。

実に緻密に役員室や工場などの現場、周囲の同業者、報道などの関係者の様子、社長の動向からそのときの精神状態、誰がどんな考えでどう行動して、さらにそのときの心象風景を描いていて、最後まで次にどんなことが起こるのかハラハラしながら読むことになりました。

しかも、特殊な専門用語などはあまり使っていないのに、業界の様子も手に取るようにわかり、人間というものがどういうものを心の中に持っているのか、そしてそれをどう発動させるのか・・流れを止めることなく、私のような者にもよくわかる明解な文章で書かれていて中身の濃い小説でした。

城山三郎さんの小説は現実の社会、経済の動きや、それに関わる人達が緻密に描かれていて、しかも平易な文体を用いていて、いつも「いいなあ、好きだなあ」と思いつつ読みます。

今回のこの小説でも繊維業界の帝国にでも君臨するような社長が、いつの間にか周りを固められて退任に追い込まれたかと思うと、さらにそこからの逆転(今度は逆の形で相手を追い込んでいく)、さらに想像を超える再度の大逆転が描かれていて、この業界に対する取材力もさることながら、物語の展開と登場人物個々の描き方と人物ごとの魅力まで濃密に書かれていて内容の深い小説だと思いました。

とても古いものですが、良い作品に出会えたと思いました。

 

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