「明日死んでもいいための44のレッスン/下重暁子」を読みました。
『明日死んでもいいための44のレッスン/下重暁子著(幻冬舎新書)』を古本で見つけ、読みました。
2021年第一刷発行の本ですが、書かれている話題の中にはかなり前の1990年代半ばのものもあり、「ああ、あの時はこんなことが常識化、常態化していたのか」と思い返すようなことがいくつもありました。
世の中の“当たり前”が変化していく中でも、下重さんが変わらず主張していることは“ブレ”がありません。
やりたいことをやり、無理をしていくつも仕事を引き受けない、付き合いたくない人とは付き合わない。シンプルに暮らす。
上記のような中で、この本のタイトルにあるように「明日死んでもいい」と考えられるような生き方、暮らし方を模索する内容になっていました。
私も年々そういうことがドンドンと背後から迫ってくる感覚があり、今まで割と先のことだよと読んでいたこの本のような内容のものは、より身近に感じてくるようになりました。
下重さんのさっぱりとした考え方、きっぱりと言い切る内容とは反比例して歯切れがもう一つと感じたのは、下重さんが若い頃経験した恋愛の相手についての記述が今までの本でも幾度か出てきていましたが、今回も何度か書かれています。
たぶん下重さんの中では未だ解決されていないことなのだと思います。
読んでいる私には、すこし安心するような感覚がありました。
どのような問題も「こう考えればいいし、何を言われても決めたように進めばいい」という感じの下重さんの心が揺れているのです。そういうことが人間ひとつやふたつや、みっつ・・(^_^;)あってもいいんじゃないでしょうか。
私なんか三十個くらいあります・・ ^^;
この本ほど、自分が死ぬときについて真正面から向き合っている本はないと思えるくらい身に沁みる本でした。
私自身も、自分がやがて死んでいくことについてかなり真剣に考えました。
多くの人にとって死というものに対する心の転換点になるのではないかと思える本でした。
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