黄金山神社が海の向こうの金華山だけでなく、陸側の涌谷にもある・・と聞き。
【 前梅雨(まえづゆ)の 黄金山 涌谷に訪ね 】
《背景》季語:前梅雨[夏]
先だって行って来た「宮城パワースポット巡り」は、荒天で金華山にある黄金山神社正式参拝が叶わず、代替案はなんと涌谷町にある同名の黄金山神社を訪ねることに。
参拝前に立ち寄った日本初の金発掘に関する施設の説明では、実際に初めて日本で金を発掘したのは涌谷であり、黄金山神社自体もこちらが本家なのでは・・ということを遠慮がちにおっしゃっていた。色々事情があって内緒の話だけど・・^_^;ってことで。
お参りすると、たしかにそんな気になる雰囲気が横溢。
神社脇を流れる川では、採ろうとすれば砂金も採れるのだという。
『日本語の美/ドナルド・キーン著(中央公論社)』を古本で見つけ、読んでみました。
日本人よりも日本を知り、日本の文学を知り、博識なキーンさんが「新潮」や「中央公論」「群像」「朝日新聞」などに寄せた日本語について書かれた文をまとめたもので、1993年に初版発行されたものでした。
キーンさんの本を読んでいていつも感じるのは、自分が日本の古典や文学などをいかに読んでいないか、知識が無いか、思い知らされるわけです。
また、今回の本で書かれていたかつての“漢字廃止論”“日本語廃止論”についての記述については、いくつかの本で見聞きしたことはあったのですが、漢字をやめてローマ字にしようだとか、そもそも日本語をやめてフランス語を公用語にしようなどということが実際にあったことに驚くのです。
そんなことになったら、源氏物語はじめ日本の古典文学を読める人自体がやがて居なくなってしまうわけで、そんなことにならずに良かったとあらためて感じました。
方言についての記述も面白かったし、日本での外来語の“さばき”方についての考察も面白かった。
結局“カタカナ”というものの存在が他国の状況と異なり、やがては不要になる外来語を“はじき出す”のに好都合だったということもわかりました。
また、キーンさんの三島由紀夫、阿部公房、司馬遼太郎、徳田秋声との出会い、繋がりも克明に書かれていて、読み応えがあるものでした。
ただし、私のように三島や阿部、司馬、徳田の本をそれこそ数冊しか読んだことのない者にとっては、その知識・教養不足が露呈し、読んでいて“チンプンカンプン”なところもたくさんありまして・・自分の勉強不足に恥ずかしくなりました。
ピアニストの中村紘子さんとのことについての記述も初めて聞くことも多く、著作も多かった中村さんの本を何冊も過去に読んだことを思い出させてくれました。
能・狂言はどういう芸術なのか、日本文学には何を期待するのか、など終盤の文も読み応えがありましたが、私の勉強不足も祟り、もう一度じっくり読み直す必要がありそうです。
キーンさんのやわらかく、わかりやすい文体だからこそ、難しい内容でもある程度食い下がることが出来ました。
何度も読み返して勉強になる本だと感じました。
『ほっとする論語/杉谷みどり(著)・石飛博光(書)(二玄社)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2007年発行のものなので、ちょっと古い本でした。
帯を見てみると、一時期テレビでよくお見かけした市田ひろみ(服飾評論家)さんが推薦の言葉を書かれていました。
この本は著者・杉谷みどりさん(プロデューサー・編集長・著述家)が、孔子の言葉をわかりやすく解説し、書家の石飛博光さんがその論語を様々な書体で表現されていて、論語についてあらためて込められている意味をしみじみと感じ、さらに書によって視覚的にも芸術的にも刺激を受けるような形になっていました。
「詩を学ばざれば、以て言うこと無し」
さしあたり必要のない詩を読み、さしあたり必要のない礼儀作法を学ぶことが教養だとすると、なにか即効性があるわけではない。
それらが価値あるものに生まれ変わるまでには熟成が必要だということ・・。
教養は感性を養い、人の持つ豊かな感性の世界に触れて行く事で、社会や時代の枠にとらわれず自由な発想が出来るようになる、・・歳とって実感しているところです。
わずかな言葉から多彩な意味内容を汲み取り、人の抱く喜怒哀楽の深さ、感情の微妙な陰影、人情の機微までを知ることになる。こうして育まれた豊かな心に「思いやり」が生まれると。
・・そうか、そうだよ。やっと今になってわかりかけてきたよ、と思いました。
「得るを見ては義を思う」という論語のところでは、簡単にいうと
欲に目がくらんだ人の前に儲け話はやってくる。
騙す方は真剣で、そんな顔をよく知っている。
うまい話に出会ったら、自分をよく見て考える。大き過ぎないか、豪華過ぎないか、立派過ぎないか・・。
上記のことも当たり前だとはわかりつつ、多くの人が、いざその時には忘れてたいへんなことになる。ニュースでもそんなことをしょっちゅう聞く。
などと色々考えつつ、そして書を鑑賞しつつ読み終えました。
少し気分がすっきりしました。
『奇縁まんだら《続》/瀬戸内寂聴・横尾忠則(画)(日本経済新聞出版社)』を読みました。
このブログで「奇縁まんだら」の第一弾の読後感を載せましたが、その続編で、第一弾に負けず劣らずの濃い内容でした。
前回から続けて横尾忠則氏が描いた瀬戸内さんと出会った登場人物の肖像画は、それだけで価値ある作品となっていて、まずは絵だけでも十分楽しめました。
そして、瀬戸内さんが出会った多くの文豪の方々は、私にはほとんど歴史上の人物で、瀬戸内さんの交友関係の広さには舌を巻きます。
私が一番気になったのは、福田恒存氏でした。
私が二十代になったばかりの頃、シェイクスピアの戯曲に夢中になり、全作品を読んだのですが、そのとき多くの作品を福田氏の翻訳で読みました。
他の翻訳者のものも同じ作品で読んでみましたが、福田氏のものが一番しっくりきたというか、作品としての風格や、気品、匂い立つようなものを感じることが出来たのを思い出します。
福田氏は完璧とも言える文学者、劇作家と思っていると、奥様は瀬戸内さんの学生時代の先輩で、瀬戸内さん憧れ人だったそうで、瀬戸内さんに対し、結婚してもう二~三年も経っているのに、奥さんが結婚前にどのような人であったのか夢中で聞き出そうとしている愛妻家ぶりに思わず微笑んでしまいました。
また、森鴎外の娘で作家となった森茉莉さんの、世の常識など飛び越えた“桁外れ”の天衣無縫ぶりも紹介されていて、単なる読者である私達には森茉莉さんの驚きの行動が書かれていました。
それは、萩原朔太郎の娘の萩原葉子さんについても同様というか、タイプは異なりますが、規格外の人物ぶりでした。
瀬戸内さんとは長い間深い関係にあった井上光晴さんとの烈しいやり取りなども書かれていて、その井上さんの墓が瀬戸内さんが二十年住職をした岩手県二戸市の天台寺に有り、井上さんの長女・井上荒野さんが直木賞の受賞報告を墓前にした様子も書かれていました。
凄いなあ、不倫関係にあった男性の実の娘との関係もきちんと有って、想像もできない世界です。
小田仁次郎との激烈な関係も書かれていて、本宅と瀬戸内さんの下宿を行き来する愛の状況も書かれていました。
本宅の娘の進学のために純文学から大衆小説への転換を“金”のために図り、それを瀬戸内さんに告げるシーン、さらに瀬戸内さんが小説家として一本立ちするときの手助け、そして別れの状況まで・・・すごい本でした。
ちょっと身体が震えるような感じで最後まで恐る恐る読みました。
『前略、高座から-。/柳家三三著(三栄)』という本を読みました。
古本で手に入れたのですが、発行は2020年となっていました。
内容は、雑誌『男の隠れ家』に2015年から2020年まで掲載された柳家三三さんのエッセイをまとめたものです。
三三さんの少年時代の思い出や、小三治師匠のもとでの下積みの頃の話題、噺家同士の間でのエピソード、全国に旅したときの出来事など、話題は多種多彩でした。
最近、落語からちょっと離れていて、三三さんの落語はまだ聞いておらず、ラジオなどでお話ししているのは聞いたことがあるのですが、そんな状態でこの本を読んでの三三さんの印象は、とても真面目で、しかもそれぞれの話題の提供の仕方が丁寧でした。
わかりやすい言葉を使い、誰が読んでも読みやすい、しかもちょっと“くすっ”とするようなくすぐり方で笑いを起こす形でした。
他の噺家さんの本も何冊か読み、このブログでもご紹介していますが、それらに比べると、非常に上品(^^;
とんでもねえヤツを罵ったりすることもなく、自らの失敗も開き直ったりせずに、冷静に書いていて、静かに反省している感じ。
なので、私にはやや刺激が足らないというか、もっと“ワサビ”を効かせて欲しい、などとも思いました。
上野、池袋、浅草などの寄席の紹介や、楽屋内での噺家達の様子、正月などの忙しく働いていた若手の頃の話などは、落語初心者の方にも十分興味を持たせる内容でしたので、落語未経験の方にも読んでいただきたい本でした。
そして、私にも久しぶりに寄席に行ってみようかという気持ちを起こさせてくれました。
近いうちに上野か、浅草の寄席で落語を聞こうかと思います。
あれから一年、365句詠みました・・という句です。
【 春近し あの日の よろこび 忘れず 】
《背景》季語:春近し[冬]
今日の俳句で、去年から詠み始めた句が365句になりました。
2024年2月24日、千葉県市原市・市民会館での「夏井いつき・句会ライブ」に妻と出掛け、まさかの観客も参加の句会、そして数百人の中から驚きの優勝。
夏井先生からの「これからも俳句を詠んでくださいね」との言葉を胸に、日々俳句を詠んでみました。
俳句は特殊な才能の有る人、教育を受けた人が詠むものだと思い込んでいた私が、生まれて初めて会場で突然与えられた5分間で作った俳句が優勝に選ばれた、あのうれしさ、よろこびは、今も心の中で息づいています。
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