「続 失踪願望。 -さらば友よ編- /椎名誠」を読みました。
『続 失踪願望。 -さらば友よ編-/椎名誠著(集英社)』を古本で見つけ、読みました。
この9月頭に「失踪願望。 -コロナふらふら格闘編」を読んでおりましたので、その続編です。
この本の中で椎名さんは80歳を迎えています。
前回のブログにも書きましたが、椎名さんがそんな歳になっている、時は流れた・・と感慨深く、若い頃に夢中になって椎名さんの本や、「本の雑誌」の草創期の頃を思い出しました。
そしてその「本の雑誌」を共に作り上げた「目黒考二」さんが亡くなられたときのことも書かれていました。
椎名さんにストレートに鋭い指摘、意見もする人でした。
文芸評論家として舌鋒鋭い方でもありました。
椎名さんの全著作を「椎名の仕事」として、順番に読み、批評していくということもされて、私も読みましたが、たいへんな調査・分析・読解力に舌を巻きました。
さらにその目黒さんからは、椎名さんに対し「私小説の怒涛の奔流はセスクアリスだぜ。お前はのらりくらりとして書いてこなかった。ずるいぜ。逃げるなよ。」という指摘も受けた椎名さん・・ついにこの本でかなり強烈で驚くべき文を書き、その指摘に応えています。私も読んで驚きました。
今までの椎名さんとはまったく異なる人格、世界が描かれていました。
目黒さんの具合がかなり悪くなり、連絡が取れなかったときに本人から電話が有り、励ましの言葉はいらないから楽しい思い出を話そうと言われ、お二人がしたお話しについても書かれていました。
そして「じゃあな」「じゃあな」のやり取りが最後となり、そのあとに椎名さんは長い手紙を書き送っています。
その手紙はお棺に入れられたそうです。
そんな話も聞き、今の椎名さんはどのような心境なのか・・学生時代から椎名さんの本を読んできた自分もちょっと寂しいような気持ちになりました。
椎名さんは、これからの自分ことを、この本で書かれています。
若い頃から色々あった奥さんとのことについても、今まで読むことのなかったことが書かれていました。
そんなときに世界中に出かけて行った頃とはまた異なる今の椎名さん、そして奥さんとの今の生活、生き方を感じることができました。
私にとっても、これからの自分を色々と考えるきっかけになりました。













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