『人生の流儀/城山三郎著(PHP文庫)』を古本で見つけて読みました。
2010年発行のものですが、元々は1986年に文化出版局から、1992年に新潮文庫から発刊された「人生の流儀」が2008年にPHP研究所より刊行され、その後2010年に文庫化されたものです。
サブタイトルに「ビジネスマンに贈る珠玉の言葉」となっていて、経済小説という戦後の新しいジャンルを開拓した著者城山三郎さんがその著作の中で『ビジネス社会に生きる人たちの糧となるような“珠玉の言葉”』を抜粋したものとなっています。
まさに『箴言(しんげん)集』と呼べるようなものでした。
いろいろ気になる言葉はありましたが、ここは私の心に残ったものをいくつか挙げようと思います。
洋画家の熊谷守一氏の「三風五雨」という言葉。
人生を10としたら、3日は風が吹いて、5日は雨。
晴れの日はせいぜい2日ぐらいだと。
人生なんてのは、風が吹き荒れて当たり前、雨が降って当然。
そう思っていれば、新しい世界へ入ってもびくともしない。晴れた日はたった2日しかないと思えば、辛い辛いと嘆くこともありません。
当たり前のこと、平気、平気。
・・だって(^_^;)・・そうか、そんな考え方もあるのかと思いましたが、実際の人生・仕事なんてそんな感じだよな、とも思いました。
次は、
裏話ばかり耳にしていると、世の中が裏で動いているという感じになってしまう。
まともに努力して生きることがばからしくなる。
といって、自分で裏の生き方をする気もない。
そのあげくは、“斜に構えて”生き流すということになる。
・・そんな人、たくさん見てきました。
さらに、
自分でもよくわかっているんだが、何でも出来る人間は、つい他人を小馬鹿にする。
人生そのものも小馬鹿にする。
これは決定的にまずいことなんだ。
・・私も仕事上で出会った者(部下だった)に上記のような傾向を強く感じていたことがありました。ちょっと怖くなりました。
最後はナポレオンの言葉。
世の中には、命令する者と従う者の二通りの人間しかいない。
・・ナポレオン以外でも、こんな考えの人はたしかにいたと思います。
以上が今思いついた、読後の印象に残った言葉です。
城山三郎さんの本はいつも実に面白い、そしてドキッと反省するようなことがある。
『その癖、嫌われます/竹内一郎著(幻冬舎新書)』を古本で見つけて読んでみました。
著者、竹内一郎氏は演出家、劇作家、漫画原作者、大学教授でもあります。
この本自体は2012年に第一刷発行されたものです。
嫌われる“癖”っていうと、まず思い当たるのは「貧乏ゆすり」でしょうか。
この本にも書かれていましたが、イライラするんでしょうね、かつての私の上司にも貧乏ゆすりグセのある人がいて、私が話し出すともの凄い勢いで貧乏ゆすりが始まりました。
丁寧に説明しても、聞いている時間が無駄だと思うのでしょう、端っから聞く気なんてないのです。自分の思い通りならなきゃ気が済まない人でした。
上記のようなことで私が気になっていたクセについてもいくつか書かれていたので、それを挙げてみて、この本の感想にしたいと思います。
「ペンまわし」って、普通の人は見ていて“カッコいい”と思っていて、なんか気に障ると感じていたのは自分だけかと思っていましたが気になる人は意外と多いようです。
人が話しているのに、ペンをくるくる回していて、会話のリズムが崩れます。
目がそっちに行ってしまい、実にイヤなものだと私は感じていました。
きっと最初は練習したのでしょう、華麗にペンを回せるようになったら人前でやりたくなるのだと思います。
でも、そのクセのある人・・やめた方がいいと思います。一人のときに思う存分やった方がいい。
それと少し関連があるかと思いますが、ドラムを叩くときにくるくるとスティックを回すドラマーがよくいますが、私は不誠実な感じがしてイヤだったのです。初めて言いました。
私もドラムを叩きますが、ホントいうと、とてもイヤ!
パソコンのキーボードを叩く音がうるさい人も無用に音がデカいと思っていましたが、この本にも書かれていました。
特に「エンターキー」を打つときの“スタ~ンッ”てのが、本人には快感かと思いますが、こちらは不快感です。
そもそも本当に速く打てる人は空中にほとんど指が浮かずに滑るようにタイプするので音なんかそんなにしないのです。
この本には、なぜ人にはクセというものがあり、それは直すことによって実際に生きていくこと、仕事をしていく上で良い結果を生むということが書かれていましたが、それはこの本を読んでみて納得してくださいね(^_^;)以上が感想です。
『嵐の中の生きがい/城山三郎著(角川春樹事務所・ランティエ叢書)』を古本で見つけ、読みました。
2001年第一刷発行となっていました。
今まで城山さんの本は数多く読んできましたが、この本は城山さんが出会った人、あるいは城山さんが知る歴史上の人物について城山さんの視点から見た人物像と、城山さんの心に深く残った言動について書かれていました。
城山さん自身が自らに厳しい生き方をされた方だけあって、取り上げている人達も自らを律した生き方を最後までされていた方々ばかりでした。
戦後、宮田自転車に就職し、取締役兼技術部長を最後に退職した高島信治氏のことが書かれていましたが、これまでの経験や技術をフルに役立てたいと様々な国に出て指導助言を行うことをほとんど給与とは言えない額のものを受け取り、安い家賃の最低限の住居に住み、残りの人生を捧げるように生きていました。
読んでいるだけで体が震えるようでした。
世の中にはこういう立派な人がいるのだ・・しみじみとして読んでいると、次から次へとそんな人達との出会いが紹介されていました。
城山さんはそんな人を追いかけて取材し、やがて小説にまとめあげています。
だから城山さんの作品を読むときには、“襟を正して”読むことになるのです。
すでに何冊かの小説を見つけてきているので、また読みましたら、ご紹介したいと思います。
映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式/2025年 日本 監督:中西健二 脚本:まなべゆきこ 出演:豆原一成、市毛良枝、長塚京三、酒井美紀、八木莉可子』を見て来ました。
タイトル上の“コーヒー”と“しあわせの数式”という言葉が気になり、出かけてみたのです。
主人公の若者(豆原一成)はコーヒーが好きで、その魅力に惹かれている大学生。
その祖父(長塚京三)が亡くなり、書斎には謎の数式が書き残されている。
残された祖母(市毛良枝)は夫が内緒で申し込んであった大学の聴講講座に行ってみる決心をした、そんな状況から始まりました。
主人公の彼女(八木莉可子)もやさしい心をもって主人公にも、その祖母にも接していく。
コーヒーが取り持つ人と人の“あたたか”な繋がり、主人公の実母(酒井美紀)と祖母の過去の行き違いからの齟齬など人間模様を絡めた、しみじみとするやさしく、温かみを感じる映画でした。
祖父の残した数式の謎が解けて、皆で富士山五合目まで行ってみると、そこには素敵な回答が残されていて、いい話だなあと涙してしまいました。
こんな日々の営み、毎日の生活の中に少しキラッと光るうれしいこと、小さな発見が描かれた映画でした。
何度もこのブログに書いてきましたが、私は映画に暴力、破壊、恨みつらみ、復讐
、過剰なエンターテインメントなどを求めておりませんので、この映画は私の心に強く訴えかけてくるものがあり、素晴らしい映画でした。
昨今の殺伐としたSNSを含めた状況を思い、こういう映画が無くならないことを祈る気持ちでいっぱいです。
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