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2025/05/26

「悩める人、いらっしゃい・内田樹の生存戦略/内田樹」を読みました。

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『悩める人、いらっしゃい・内田樹の生存戦略/内田樹著(自由国民社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2016年第一刷発行となっていました。

この本は寄せられた“相談”に著者・内田樹氏が答えていく形式で進められています。
相談は2012年から2016年までに寄せられたものです。

読み終えての印象は、ここで出ている質問・相談者は、ほとんど何も自分で考えていない人ばかり、おまけに無責任で人任せな質問ばかりでした。
この本の成り立ちがよくわかっていないのですが、無理やり作った質問のように見えて仕方ありませんでした。

ま、それはさておいて。

ひとつ共感というか、同感した問題がありました。

今、現代の人たちは、最小の労力や費用で、すでに分かっている結果・効果・資格などを得ることを一番の旨としていて、この努力や探求によって何が得られるかもわからないが突き進んでみる・・なんていうことは“無駄”だから一切やらないのだ。

という考え方が蔓延しているという部分でした。

なおかつ、人のため、社会・世の中のために役立つのではないか、という考えで探求していく人など今やほとんどいないということでした。

私のようなもののかつての職場でも、たくさんそんな例を見てまいりました。

新しい“社会・仕事のキーワード”のようなものが流布されると、それについて「調べろ、レポートを作れ、やってみろ」と云う上司は、「それをやった」という結論のみが欲しくて、それを自分の手柄にするためにのみ命令するのでした。

それが8千人の職員の仕事に、あるいは社会的に、どれほど役立ち、効率が上るかなどということには実際興味はなく、ただ目をつけた、そしてやってみたことに対する人からの評価が問題なのでした。

職員がPCで仕事以外のことを、特にインターネットを使ってやっていることについて自動的に調査出来るシステムを私の部署で稼働させた時には、虫も殺さぬような善人で誰もが知っている人、真面目・堅実な仕事ぶりが印象にある人達が内緒だと言って私のところに乗り込んで来たことを思い出します。

ようするに自分のライバルの仕事状況を知りたいからデータを流してもらえないか、という信じられないことを言いに来たのでした。ライバルを蹴落としてでも出世の先頭に立ちたいのでしょう。
全てその場で「自分がやろうとしていることがどんなことかわかっているのか」と断りましたが、さらに私の上の人間に働きかけたのかは不明です。

システムを職場の効率、公正性に役立てるなんてこと頭の片隅にもないことがわかり、出世する人っていうのは、こういう人間なのだとあらためて感じたのですが、この本で言っていたことの事実版です。

この本の後半は、もうどうでもいいことを無責任に聞いてくる質問だったので、流し読みになりましたが、それなりに感じることがある本でした。

 

2025/04/10

俳句を詠んでみる_0412【 春の朝 ご安全に の 声聞こえ 】

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以前仕事で出かけた会社・工場で聞いた挨拶の言葉を思い出して詠んでみました。

【 春の朝 ご安全に の 声聞こえ 】

《背景》季語:春の朝[春]
仕事で製鉄会社を訪ねた時に、最初に挨拶した方から、次々とすれ違う方、エレベーターで乗り合わせた人まで、全ての人が「ご安全に」と挨拶してくれました。
初めは何と言っているのかわからなくて、思わず聞いてみたら「ご安全に」だと教えてくれました。
何かいい挨拶だなと思ったのです。
帰りには、こちらからも「ご安全に」と声を掛けました。

 

2025/02/16

「運がいいと言われる人の脳科学/黒川伊保子」を読みました。

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『運がいいと言われる人の脳科学/黒川伊保子著(新潮文庫)』を古本で手に入れ、読んでみました。
2011年に単行本化されたものですが、元々は2009~11年発行の著作を加筆修正してまとめたものです。

いつもの黒川節がいつものように炸裂(^_^;)しておりましたが、特に私が気になったところを少し挙げてみます。

〇人は自分を被害者に見立てて怯えているときよりも、誰かをかばうために闘っているときの方が、何倍も強いのだと思う。
そう考えれば、かばう人がいる人はしあわせである。

という一文です。
同感です。
私も自分がピンチに見舞われ、大変なことになっているのに、後輩から相談を受けて親身になってアドバイスしたり、手助けしたりしている時は、何故か自分の窮地も忘れるように頑張っていました。

そして、そうすることが私自身を心強くしていたのです。不思議なことです。

〇国家的な非常事態のときに、総理大臣他が官邸に速やかに移らなかったことについて、国民や野党などが国会で責めた話が書かれていて、実際は集まるより早くITが進んだ今は公邸などにいても情報収集は出来るし、連絡も取れるのだという与党の弁明があった話でした。

この本にも書かれていますが、国民はその「沈黙」とも取れる、官邸参集までの時間に不安を感じたのであって、いち早く首相や関係大臣が集まる姿を見せることが国民を安心させるのだということなのです。

これにも同感しました。
プロは相手の視線で自分を見るのが大事。相手の立場を慮って相手を安心させるふるまいが大事なのだと思いました。

最後は
〇部下など、相手の失敗を「ちゃんと言ってただろう!」などと責めるのはどうか、という話でした。

「私も再度確認すればよかった」などと「〇〇すればよかった」と相手の責任を追及しない心遣いが大切で、逆に言うと、こういう言葉をかけてもらえる人になるのが大事だという・・そうだな、と頷いてしまう話でした。

いつものように“気づき”の多い本となりました。

 

俳句を詠んでみる_0363【 冬ぬくし 室町に 出席簿有り 】

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銚子・円福寺の寺宝展。室町時代に天皇含めた出勤簿が?!で、一句。

【 冬ぬくし 室町に 出席簿有り 】

《背景》季語:[冬]
銚子の円福寺には、日本の宝、世界的に見ても貴重な古文書が保存されています。
第19回寺宝展で慶応義塾大学教授・佐々木孝浩先生の解説を聞きながら貴重な古文書を目の当たりにした。
室町時代の宮中では、首到和歌といって、毎日指定の場所に出向き、定められた題の和歌を毎日一首詠んで所定の紙に書き付ける形式が盛んだったのだそう。
天皇は歌だけで署名する必要はなく、その女房も署名することなく、ただ二行目の最初を一段下げるとのこと。
後土御門天皇とその女房、さらに多くの出席者の歌と署名がありました。
文明12年(1480年)の自筆です。驚きました。

 

 

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2025/02/07

「森毅の置き土産/森毅(著)・池内紀(編)」を読みました。

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『森毅の置き土産/森毅(著)・池内紀(編)青土社』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2010年第一刷発行となっていました。

著者、森毅氏は数学者であり、評論家、そしてエッセイストとしても活躍され、テレビなどでもお見かけすることがありました。

この本は、その森氏の著作から、ドイツ文学者でエッセイストの池内紀氏が編んだものです。硬軟織り交ぜ、ボリューム感満点でした。

ビシッと自らの考えを言うのですが、でも肩の力は抜けている・・そんな感じのエッセイが私にとってとても魅力に感じました。

私がこの部分はいい、と思ったところを一部ご紹介します。

ものを食ったり飲んだり、とりとめもなくお喋りをした、なんならひとりで、なんということもなく時間が過ぎていく。
それを人生のムダのように言う人もいる。
きっと人生というものになにかの目的がなければならぬ、と考えている人だろう。
人生に目的(エンド)というものがあるとすれば、それは死に決まっている。

と書かれていました。
私も最近そんなことを考えているところでした。

ちょっとした目的はあるかもしれませんが、目的達成の効率ということなら、人生の七割くらいはムダのようなもの、でもそのムダを生きることで、その人の人格が作られます。
仕事が人間を作るのではなく、暇が人間を作る・・いいねえ(#^.^#)まさに今の私の心境。

もうひとつ

若い頃に忙しくしたおかげで、いまをのんびり疲れていられる?!
いやいやそうではなくて、むしろ若いときにムダをしたおかげで、目標や計画と無縁に生きられる。
忙しがってないと不安、というのでは不幸だ。

まさに忙しがってないと不安だったのが、私の働き盛りの年齢の時の心模様でした。
この本、もっともっと早く読んでいたらよかったのに・・。

今の私は大病して仕事も辞め、必死に毎日生きていた、仕事をしていたことをもう一度心の中で思い起こし、反芻して、生きていることに感謝し、やりたいことをして、疲れたら休む、この生活に尽きると思います。

不思議な、力の抜けた、でも希望のある良い本でした。

 

2024/12/31

「図解 眠れなくなるほど面白い 疲労回復の話/梶本修身」を読みました。

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『図解 眠れなくなるほど面白い 疲労回復の話/梶本修身著(日本文芸社)』という本を興味を持ち、読んでみました。
著者の梶本修身さんがラジオに出演して語られていたのを聞き、語り口が面白く、それに“引っ張られた”^_^; 感じで手に入れたのです。

著者の梶本さんは医学博士で、東京疲労・睡眠クリニック院長です。健康本だけでなく、メディア出演も多数のようで、今回、私はラジオで初めて知ることになりました。

簡単に言うと、『疲労の正体は「脳の疲れ」だった』ということで、それをメインテーマに様々な事例を挙げて疲労回復の方法について書かれていました。

楽しいから疲れない・・と、趣味の作業などは休まずに続けてしまう人が多いと思われますが(私もそんなとろこがある)、それが“超危険”なことだというのです。
「疲れのアラーム」を隠してしまい、それが過労死にまで至るという・・('Д')

疲れのアラームに気づかないと、自律神経の乱れが原因で自律神経失調症ということになり、放置すると深刻なダメージを引き起こす・・なんか思い当たる時期がありました。

とにかく色々なアドバイスが書かれていましたが、少し意外だっのが、栄養ドリンクは飲むほど疲れていく、とか、サプリメントは疲労回復効果には意味ないどころか逆効果だとか、お酒は疲労回復面ではメリットなし、とか、疲れたときはスタミナ食ってのはウソ、だとか、温泉やサウナは疲労回復にとって逆効果(・。・;だとか、仕事帰りにジムに寄るなんてのもダメ、意外なことばかりでした。

そして、疲労回復に効果ある実際の方法が書かれているのですが、それはここで書くと営業妨害なので、興味ある方はこの本実際に手にとってみてください。

暮も押し詰まって疲労の原因について新しいことを知りました。
やれることは少し実践してみようかと思っているところです。

 

2024/12/23

「ひとりで生きる/伊集院静」を読みました。

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『ひとりで生きる -大人の流儀9- /伊集院静著(講談社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2019年発行の本で、初出は「週刊現代」の2018年10月~2019年8月に掲載されたもので、その中から単行本化にあたり抜粋、修正がなされています。

いつも読むことによって心強くしてくれた伊集院さんの本ですが、伊集院さんは昨年11月に亡くなられました。まだまだ力強く叱って欲しかったと今でも思います。

いつもどおりの“伊集院節”ですが、私の心に残った部分を少しだけ抜き出してみます。

〇勘違いと傲慢は、その人の成長をたちまち止まらせる。

・・・天才と言われて、その気になったら終わるのと同じであると伊集院さんはおっしゃっています。
そんな人、有名人でも何人も見てきましたが、私の仕事人生の中でもそんな勘違いをして途中から道筋を外れて行った人がいました。
未知の領域にあるものを発見したり、創造したりするということは、勘違いや傲慢な態度をしている暇も無いほど励まないと出来ないということなのだと伊集院さんはおっしゃっています。

〇※伊集院さんを拾ってくれた会社社長の言葉(故人ですが、ラジオのジャズ番組の司会を長いことやられていて私はファンでした。“お味噌ならハナマルキ”の歌を作った人です。貿易会社を経営されていた。) → 「碌な学歴も、家系さえないおまえが、この社会で生きて行くには他人の十倍、いや百倍働け!三十五歳までは土、日、祝日はないと思って働いて、ようやく人と並ぶんだぞ」

・・・大学を卒業しても就職せず、けっこう“ヤバい”仕事をして、フラフラしていた伊集院さんは、この社長に拾われ、二年間、鍛えられ、時にはやさしい言葉をかけてもらっていたようです。
この社長が亡くなられるまでずっと人生を教えてくれたと感謝していました。

〇時折、銀座の遊び場でネエさん方が、「今のお客さんの時計見ました? XXXXで三千万円するのよ」と耳にした伊集院さん、「よほどの成金か、バカなのだろう」とおっしゃっています。

・・・私もまったくそう思います。学生時代の友達と就職して十数年後に同窓会などで会う機会があると、時計を見せて「これ、わかる?いくらだと思う」と聞いてきた“羽振りの良さそうなヤツ”が何人かいましたが、相手にしませんでした。

というようなことが、たくさん書かれていました。
いつものように自分はそんなに間違った生き方をしてはいないんじゃないか、という確認ができたような気がします。

 

2024/12/10

「新 田中角栄名語録/小林吉弥」を読みました。

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『新 田中角栄名語録/小林吉弥著(プレジデント社)』を古本で読みました。
12月8日のこのブログで「田中角栄 100の言葉」という宝島社編集の本をご紹介しましたが、同じ古本屋の棚に隣同士に置かれていました。
思わず両方とも手に取り、結局二冊とも読むことになりました。

今回は政治評論家で、23年間に渡り田中角栄取材にエネルギーを注いだ方が書いた田中語録です。
こちらも興味深く読みました。

「人を叱るときは“サシ”でやれ。褒めるときは人前でやることだ。」
という言葉が印象に残りました。

私の仕事人生で、上司であった人達の多くが上記の正反対のことをしていました。
皆の前で厳しく、見せしめのように叱り、褒めるときは二人きりの時に「まあ、よくやったかもな・・」って感じで(^-^;仕方なく褒めたという印象でした。ほんとは褒めたくなかったんでしょう。

それから首相官邸の警護をしていた出入口の署員ボックス(当時の警視庁麹町署の管轄)に向かって、クルマで通るときに、わざわざ自分で窓を開け、片手を上げて必ず『ご苦労さん』と声をかけていたエピソードが載っていました。

田中派担当記者が「なぜ『ご苦労さん』とまで言うのか」と愚問をぶつけると、「当たり前のことじゃないかね」とサラリと言ったそうです。

私が東京勤務時に、麻布十番納涼祭りという数十万人規模の入場者がいるイベントに参加したのですが、当時の局長が休日の東京の現場まで地元からわざわざ訪れて「ご苦労さん」と声を掛けてくれ、しかもイベント用のTシャツにすぐさま着替えてくれて、テントの前に立ち、お客さんの呼び込みをしてくれたのを思い出しました。

やろうと思って出来ることではないと思いました。
ほんとうにそういう人なのです。
しかも、前の人通りが激しく、落ちているゴミを箒と塵取りで率先して掃除してくださったのも印象的でした。

ようするに、田中氏もそういうことなんです。
心から思っていないことは自然にやることは出来ないのだと思います。

上記の他にも角栄氏らしいエピソードが満載で、参考になる言動がたくさん載っていました。
前回の田中角栄本に続いて、勉強になる本でした。

 

2024/11/25

「運を天に任すなんて 人間・中山素平/城山三郎」を読みました。

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『運を天に任すなんて 人間・中山素平/城山三郎著(新潮文庫)』を読みました。
2001年に光文社文庫におさめられた「運を天に任すなんて 素描・中山素平」を改題して2003年に新潮文庫として発行されたものです。

「財界の鞍馬天狗」「日本の羅針盤」などという異名をもった中山素平の日本経済復興を語る上で欠かせない銀行マンとしての生き方を描いたものとなっていました。

時代としては戦時下も含まれ、主人公の中山素平は、シンガポールという当時日本軍の最前線に近い占領地への海外派遣も経験し、そのときのことも書かれていました。

海運業界の再編などをした中山ですが、戦地でも自らの考え方、物事の進め方は曲げることなく、その大変な様子も書かれていて、今のこの時代にこんな人は一人もいないと思いました。

戦後もGHQの興銀無用論を突っぱね、興銀中興の祖となり、山一証券への日銀特融、八幡・富士製鉄の合併、などの難事解決にあたって名を馳せたのですが、著者城山さんの緻密な取材がものを言ってスリリングな展開でした。

辛辣な発言、粘り強い交渉と根回しが印象に残り、さらに中山自身の“人物としての魅力”を強く感じました。

読んでいるうちに、近年、この“人物”を感じる人がいなくなったとつくづく実感しました。
先ごろの選挙などでも、実に底の浅い、自分だけ良ければ、当選できればよいのだという印象しか感じない人達、どんな手段を使ってでも人の上に立とうとする人達、・・これは日本国内だけではなく、世界的に自分さえよければ、自国さえよければという人達ばかりという気がします。

城山さんが取材して描いてこられた様々な人物の評伝を読むにつけ、上記のようなことをいつも思うのです。

城山さんの著書、まだまだ何冊もストックがあるので、また読みましたら感想をアップいたします。

 

2024/10/09

「対談サラリーマンの一生 -管理社会を生き通す-/城山三郎・伊藤肇」を読みました。

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『対談サラリーマンの一生 -管理社会を生き通す-/城山三郎・伊藤肇(角川文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。

1980年に光文社から刊行された「人間学対談」を改題したもので、文庫版は1986年に初版発行、この購入したものは1995年発行のもので、既に14版を重ねています。息の長いベストセラーだったようです。

城山さんは作家、伊藤さんは新聞記者、編集者を経て評論家となり、そのお二人の対談形式でこの本は構成されています。

「サラリーマンの一生」というタイトルになっていますが、対談の内容としては、男が仕事に就き、やがて五十代になり、六十代になり、退職するまでをどう歩み、どう生きていくか、何を支えとするのか、どんな人と付き合うのか、などを語り尽くしている・・そんな印象の本でした。

お二人の共通していた意見としては、二十代は“全力”で仕事をしろ。
そしてその後は100%ではなく、自分なりのペース配分を見つけろ。

いわゆる“左遷”されても「くさるな」、「くよくよするな」そこで与えられた仕事の中から見つけ出せるものがあるからそれに取り組め。

また忙しいからといって「時間が無い」などの言い訳をせずに、自分が取り組める研究や、学べることが必ずあるから、それにも夢中で力を入れろ。

本は読め。読まずして知恵は得られない。

上記のようなことを様々な先人(この対談当時に色々な分野でトップにいる人の例を挙げていた)の言動、生き方を示して弾むような対談をしていました。

人の上に立つ人は、人物さえちゃんと養成しておけば、仕事と金は自然に集まってくる、ともおっしゃっていて、「内閣だって立派な大臣を置けば、政策なんかは自然に生まれてくるはずなんだ。つまらんやつを大臣に据えるからおかしくなる。」とも。
ちょうど今の日本もそんな感じだなと思いました。妙な大臣は変なことしかしない・・。

また、当時はインターネットもまだ普及していなくて、Windowsもこれからという時代。
大きな災害時には、「水と新聞」を人々は欲しがる、と書かれていました。

人は結局、活字になっている情報を見て納得できる。そして活字に飢えている。
新聞からの情報への信仰の強さには驚く・・とも書かれていました。
その状況は、今、インターネットというものがあって様相は変化したと思いますが、それでもネット上の情報の信憑性が災害時に低くなることは今年の災害時にも露呈されました。

被災地で、どういう形で情報を得るのかという問題はまだ解決されていないような気がしました。

昨日だったか、本屋さんがどんどん減少して、それを国が援助していくことを始めるというニュースがありました。
この対談でも本を読むことがどれだけ“人物を”つくるか、“人間”をつくるかということが書かれていて、この本に書かれているようなことをネットで若い人が知るのは、ほぼその機会が無いように思います。

あらためて、本を読むことの大切さを感じながら読了しました。

 

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