『まわれ映写機/椎名誠著(幻冬舎)』を古本で見つけ、読んでみました。
2000年~2002年にかけ、「星星峡」に連載された作品をまとめ、2003年に刊行されたものです。
実体験をベースにした小説、と、ご本人が書かれていますが、まさに体験中に感じたことがドキドキするような感じで書かれていました。
映像、特にフィルム・映画に幼い頃から興味を持った椎名さんが実際に大人になって自ら監督となり、映画を製作するまでのことが書かれていました。
驚くのは、300頁もあるその半分の部分が、子供の頃の幻灯機との出会いと、それを自ら工作して作り、なんらかのフィルム状のものに絵や文字を入れて、ひとりで見て興奮するだけでなく、友達にも見せ、やがては8ミリ撮影機を持つ友達と出会いどんどん映画というものに興味を持ち、近づいていくところを描いているのです。
ふつうは、こういう部分は手短に思い出として語り、さっさとこの本の後半部分、初めて四万十川にいつもの焚火キャンプ仲間を中心に集め、素人集団と言えるような状態で「ガクの冒険」という、あの有名な“カヌーイスト”野田知佑氏と、“カヌー犬”のガクの物語を映画として撮るというメインに突入するところですが、そうではなく、子供の頃の「撮影と映写」への憧れからやってみたことを事細かに書かれているのでした。
私も似たようなワクワク感を子供の時に感じたことが有り、雑誌付録の紙の幻灯機を作り、壁に映しているだけでは飽き足らず、夏休みの宿題として木工でそのレンズを利用して自作幻灯機を作ったことがあるのです。
さらに巻き取り式に透き通ったセロファンのようなものを細長く切ってフィルムを模したものを作り“映写機”みたいにして一人興奮した記憶があります。
椎名さんも書かれていましたが、昔は8ミリカメラを使うアマチュアのための「小型映画」という雑誌があり、熟読されていたようで、私も8ミリカメラなど持ってもいないのに、その雑誌を買って、読んでみたことがありました。
なんかワクワクする気分はきっと椎名さんと一緒だったのだと思います。
そんなことを椎名さんは、150頁以上使って書かれていたのですが、全然“ダレる”こともなく、ただただドキドキする気持ちで読むことができました。
なので、後半の映画製作の部分がより光り輝いて読むことが出来たのだと思います。
10年間の期間限定で、映画製作会社「ホネフィルム」を作った椎名さんは、「ガクの冒険」のあとも果敢に作品を作られていました。
まさに夢を実現した感じです。
最後までキュンキュンしながら読みました。
実録小説、とてもいい作品でした。
三回目になる長嶋さん現役時にスクラップしておいた新聞記事について。
今回は、あの引退翌日の朝刊切り抜きです。
よく残っていたと思います。
当日は、巨人軍のシーズン最終戦。中日はセリーグ優勝をすでに決めた後です。
その中日とのダブルヘッダーでした。
第一試合が終わって、長嶋さんは予定外のグランド一周しての観客へのお別れの挨拶を行いました。
一枚目の写真がそれです。
その日の夜の引退記念テレビ番組でもその様子が流れていたことを思い出します。
あの長嶋さんが泣くんだ・・と思いました。そしてひとつの時代が終わろうとしていると感じました。
そして四枚目の写真には、その日やがてジャイアンツの一員になる法政大学の江川投手の活躍の様子が記事となっていて、まさに新旧交代の感があります。
その江川もとっくの昔に引退し、そして長嶋さんは亡くなってしまった・・。
この引退試合のあと、シーズンオフにはアメリカからニューヨーク・メッツが日本との親善試合にやって来ました。
長嶋選手は、全国のファンとのお別れを兼ね、この親善試合に帯同し、最後の姿を日本各地の球場で披露したことをご存知の方はもう少ないかもしれません。
私も父に連れられ、後楽園球場でメッツとの親善試合を見ました。
長嶋選手はライト線に痛烈なヒットを放ち、一塁から外野の間の比較的前の方の席にいた私はその打球がライト線に転がっていく長嶋の打球を目に焼き付けました。
当時は応援団も無いので、プレイ中は音が良く聞こえ、長嶋の打球が後楽園のライン際外野芝生上をすごい勢いで転がっていく“ササササッ”という音が聞こえました。
今でもその音は記憶に強烈に残っています。
今回は、引退試合を含めた記事のご紹介でした。
もう一・二回スクラップ記事のご紹介が出来ればと思っています。
長嶋さんが亡くなってから探し出した、昔の、少年時代のスクラップから、今度は長嶋さん引退会見翌日の朝刊の切り抜きを見つけました。
会見の席、隣にいるのは川上哲治監督です。
当時の私が思ったのは、「長嶋が引退したらプロ野球は解散するのかな?」でした。
それほど長嶋抜きのプロ野球なんて考えられないことだったのです。
でも、翌年もプロ野球はやっていました(^^;)
長嶋選手を実際にテレビ中継で見ていて、私の少年時代の記憶に残っているのは、阪神戦で当時絶好調だった上田二朗投手が九回二死までジャイアンツをノーヒットノーランに押さえていたシーンです。
いよいよ最後の打者は長嶋茂雄。
長嶋でノーヒットノーランやられちゃうのか・・とドキドキしながら見ていましたが、上田投手と田淵捕手が何やら打合せしてからの第一球を長嶋はちょっと引っかけ気味でしたが三遊間(だったか、二遊間だったか)を抜き、見事にノーヒットノーランを免れました。
上田投手はがっくりとひざを落としていましたが、長嶋選手は一塁上で何か上田投手に手の平を見せながら声をかけていたようでした。
「すまん、すまん」とでも言っていたのかもしれませんが、上田投手が帽子を脱いで頭を下げていたようです。
私と真剣勝負してくれてありがとうございました・・ということだったんじゃないでしょうか。
いいシーンだなと思いました。
長嶋選手にはこんなエピソードがたくさんあるようです。
そんな長嶋選手だったから、私が父親に連れられて後楽園球場に観戦に行った時の状況は、長嶋がネクスト・バッターズ・サークルに入っただけで球場は敵味方の客席に関係なく既にざわめきが始まり、いざバッターボックスに入ると歓声はマックスとなり、当時球場にあったエキサイトタワーという電光掲示板(早い話が騒音計)は振り切っていました。
また、長嶋の守るサードに打球が行くと、観客は息を呑み、見事な送球でアウトを取ると、割れんばかりの歓声が上りました。これも敵味方関係なく球場全体の状況でした。
当時は、応援団なども無かったので、球場は基本的に静かだったのですが、長嶋が登場、あるいは好プレーを見せると球場が揺れるような歓声で包まれていました。
そんな選手だったのだ、とあらためて思い起こしつつ、きょうはこれまで。
ジャイアンツの四番打者でサードを守っていた長嶋茂雄は、やっと野球のルールが少しずつ分ってきた少年時代の私にとってすごい選手であり、とても人間的な魅力のある人という感じで見ていました。
写真は、昭和45年と表紙に書かれたノートに私が新聞から切り抜いた長嶋さんの写真です。
長嶋さんが亡くなられてから、記憶を思い起こし、ひょっとしてまだ残っているかもと探して見つけたものです。
ピンクで印を付けましたが、《長嶋燃える》・・と写真の表題が付けられています。
大洋対巨人、9回裏、一死、二塁、平松投手の代打「セルフ(※外国人選手)」の火の出るような三塁線の打球をサード長嶋が横っ飛びに取ってピンチを切り抜けたシーンです。
長嶋は鬼の様な形相で飛びつき、レフト線に抜けたっ・・と思われた打球を取りました。
長嶋選手の背中から炎が立つような渾身のファインプレーでした。
ピンチを切り抜けた巨人は、この試合、勝利しました。
そして、私の記憶では長嶋選手に「長嶋 燃える」「長嶋 燃えろ」「燃える男 長嶋」などのフレーズが伴い始めたのがまさにこの日の、この出来事以来だったのではないかと思います。
生でこのシーンをテレビで見たのか、それとも夜、あるいは翌日のスポーツ・ニュース映像で見たのか記憶は判然としませんが、今でも記憶に残る長嶋らしいシーンでした。
その後、現役時代にも関わらず、半生を振り返るような音声記録を収録した『燃える男のバラード』というレコード盤が発売され、私の兄弟が購入し、それこそ何十回も聞きました。
長嶋選手の生い立ちからジャイアンツを、そしてプロ野球を引っ張る姿を見事に一枚のレコードに収めた名盤と言える仕上がりでした。
今でも内容の全てを覚えていますし、長嶋さんが亡くなった時のラジオ番組などでは、多くの音声記録はこのレコードから流されていました。ラジオ局も素晴らしい音声記録が残されていましたのでそこから抜粋していますと伝えていました。
長嶋さんが亡くなられて色々なコメントや、SNSなどでの発言を見ていて、私もファンとして何か書きたいと思い、このスクラップを見つけ出し、今日、この文を書いてみました。
スクラップには、まだいくつも長嶋さんの写真が切り取られていたので、今後またご紹介したいと思っています。
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