「言葉のおもちゃ箱 伊奈かっぺい綴り方教室/伊奈かっぺい」を読みました。
『言葉のおもちゃ箱 伊奈かっぺい綴り方教室/伊奈かっぺい著(本の泉社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2022年初版発行となっていますので、そんなに古い本ではありません。
内容を読むと、コロナ禍の外出もままならない時期の鬱屈とした様子が書かれた部分も多いので、ああ、あの頃のものか・・と、少し感慨深い気持ちになりました。
伊奈さんについては、古くからテープやCDなどで、コンサートというか、トークショーみたいな形式のものを何本も聞いてきたということもあり、面白いし、気取らないし、好きな人です。
私の中学時代の担任で美術の先生も、私に何枚もCDを貸してくれて、たくさん聞きました。
実に面白かった。
その印象を持ってこの本を見つけ、読んでみたわけですが、コロナ禍の鬱屈を色々な事象に対して世の中の認識から“反転”させるような見かたで、この本のタイトルのように言葉をおもちゃ箱的に楽しんで皮肉な感じで笑いにもっていっていました。
最初は私もなるほど面白いやり方だと思いながら読んでいたのですが、如何せん途中で息切れしました。
なんか笑っていられないというか、もうそこまでやらんでもいいですよ・・という感じになってしまったのです。
「上塗りの下ごしらえのような恥」とか、「貧乏くさいのは貧乏じゃない人の特徴だ 偉そうにするのは偉くないからだよね」さらに「無理が通っても総理は引っ込まない」などというところまでは面白がって読んでいたのですが・・・
「その人を知りたかったらその人の本棚を身よ」という誰かが言った言葉について「あなたの本棚を見せてください」と、人は言わないだろうし、そんなことを言われたこともない。
と、話を展開し、本棚なんか見てその人がわかるはずはない、自分の本棚を見てもそうだ・・というふうになっていって・・そこまで“絡まなくても”いいですよ、話をもっと面白く、前向きに、笑っちゃうように進めればいいのにと思うような項目が中盤からどんどん増えてきて、読むのがだんだんとつらくなってしまいました。
実に意外なことになってしまったのですが、おしゃべりではなく、文章になると笑う前に“くどく”なってしまって、先に読み進んでいくと私自身の心が暗くなってしまいました。
感想は人それぞれで、私の体調が良くなかったのかもしれません。
もう一度読み直せばとても面白いのかもしれませんが、しばらくは“寝かせて”おいた方がいいな、という状態になって読了いたしました。
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