『クスリと笑える、17音の物語 寝る前に読む一句、二句。/夏井いつき・ローゼン千津(ワニブックス)』を古本で見つけて読みました。
2017年初版発行となっています。
この本は、あの夏井いつき先生と、その妹ローゼン千津さんが対談形式にして過去の名人上手の俳句を元ネタにして対談形式で“依頼された啓発本”を形成していく・・というものでした。
私が読んだ感じだと、啓発に“似たようなもの”を姉妹でちょっとユーモアを交えつつ俳句を“肴”にああでもないし、こうでもないと作り上げたものと、とらえました・・。
夏井さんは割と気が短く、即断的で理論的。ローゼンさんはのんびり屋で、情緒・感情が先走り、結論は後回し、そんな印象で読みましたが、しかも二人は姉妹なので遠慮会釈なく相手にものを言うので、“押さば引け、引かば押せ”のやり取りが実に絶妙で面白い!(^^;)
そもそも俎上にあがっている俳句の捉え方も両極端な感じで、だからこその人それぞれのものの感じ方、生き方、行動に対してのお二人の考えが発散されるように言葉のやり取りとして結実していて、読み応えがある対談になっていました。
しかも、私のような者には季語、俳句の勉強になりました、とても。
例として挙げられた俳句の作者も錚々たる顔ぶれでした。
高浜虚子、鈴木真砂女、中村草田男、星野立子、鷹羽狩行、飯田龍太、西村和子、ドナルドキーン・・まだまだ強者が・・。
私の印象に残った句は
罪もなく流されたしや佐渡の月 ドナルドキーン
笑ひ茸食べて笑ってみたきかな 鈴木真砂女
鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤楸邨
出歩きや梅雨の戸じまりこれでよし 高田つや女
いつくしめば叱るときける寒さかな 松根東洋城
などでした。
どんなことを詠んでいるのか、そして夏井さんとローゼンさんはどう読んで、どう啓発に結びつけたのか・・ぜひこの本を読んでみてください。
『星空の谷川俊太郎質問箱/谷川俊太郎著(株式会社ほぼ日)』を読みました。
2018年第一刷発行となっておりました。
詩人の谷川俊太郎さんが子供から大人まで、さまざまな質問を受けて見事な回答をするという本でした。
ほんとうに晴々と気持ちの良い、毒づいたり、暗い気分にならない回答ばかりで安心しました。
最近は、些細なことにも突っかかるような人ばかりの世の中、こんなに正直に、ストレートに物事を考えて、すっと回答するような人は皆無と言ってよいでしょう。
うれしくてあっという間に読み終えました。
どれもこれも気持ちよかったのですが、ちょっと変った設定の質問をひとつご紹介いたします。
【質問】
毎日、食べて寝て、しあわせな顔をしています。
オレたち、ほんとにこれで合ってんのなか?
(上野動物園のバクとカピバラ 七歳、八歳)
【回答】
合ってます合ってます。
何かしなくちゃいけないと思うのは人間だけ。
他の生きものたちはみんな
そこにいるだけで満足してます。
いのちはただ生きているだけが基本。
ただ生きているだけでは満足できなくなった人間は、
いのちプラスアルファのおかげで
不幸になりましたね。
いいなぁと思いました。
私達は生きていて、日々いろいろなことを経験して、何かあるけれど生きて行く。
それでいいのだ、と思うんだけど、でも国土を拡げようとしたり、自分と異なる考えの人達を同じ人間なのに攻撃したり、あるときは殺してしまったり。
今のままで平和に暮らしていけるのに、ディールだ、カードを切るだと無理難題を吹っ掛け、自分だけが得をすることに汲々とする人物も現れた。
人間の醜さを見事に表現していることにだけは感服する。そしてそれの“ミニ版”はどこにでもいる、職場その他にも。
特に近年、顔を見ただけで一日が台無しになるような、怖ろしい人相の人ばかりが大増殖しているように思います。
基本的に意地悪な回答なんてひとつもない、そして意地悪な質問をする人にはすっと“かわし”て、そんな質問自体に意味がないことを言う、そんなとてもいい本でした。
『運がいいと言われる人の脳科学/黒川伊保子著(新潮文庫)』を古本で手に入れ、読んでみました。
2011年に単行本化されたものですが、元々は2009~11年発行の著作を加筆修正してまとめたものです。
いつもの黒川節がいつものように炸裂(^_^;)しておりましたが、特に私が気になったところを少し挙げてみます。
〇人は自分を被害者に見立てて怯えているときよりも、誰かをかばうために闘っているときの方が、何倍も強いのだと思う。
そう考えれば、かばう人がいる人はしあわせである。
という一文です。
同感です。
私も自分がピンチに見舞われ、大変なことになっているのに、後輩から相談を受けて親身になってアドバイスしたり、手助けしたりしている時は、何故か自分の窮地も忘れるように頑張っていました。
そして、そうすることが私自身を心強くしていたのです。不思議なことです。
〇国家的な非常事態のときに、総理大臣他が官邸に速やかに移らなかったことについて、国民や野党などが国会で責めた話が書かれていて、実際は集まるより早くITが進んだ今は公邸などにいても情報収集は出来るし、連絡も取れるのだという与党の弁明があった話でした。
この本にも書かれていますが、国民はその「沈黙」とも取れる、官邸参集までの時間に不安を感じたのであって、いち早く首相や関係大臣が集まる姿を見せることが国民を安心させるのだということなのです。
これにも同感しました。
プロは相手の視線で自分を見るのが大事。相手の立場を慮って相手を安心させるふるまいが大事なのだと思いました。
最後は
〇部下など、相手の失敗を「ちゃんと言ってただろう!」などと責めるのはどうか、という話でした。
「私も再度確認すればよかった」などと「〇〇すればよかった」と相手の責任を追及しない心遣いが大切で、逆に言うと、こういう言葉をかけてもらえる人になるのが大事だという・・そうだな、と頷いてしまう話でした。
いつものように“気づき”の多い本となりました。
銚子・円福寺の寺宝展。室町時代に天皇含めた出勤簿が?!で、一句。
【 冬ぬくし 室町に 出席簿有り 】
《背景》季語:[冬]
銚子の円福寺には、日本の宝、世界的に見ても貴重な古文書が保存されています。
第19回寺宝展で慶応義塾大学教授・佐々木孝浩先生の解説を聞きながら貴重な古文書を目の当たりにした。
室町時代の宮中では、首到和歌といって、毎日指定の場所に出向き、定められた題の和歌を毎日一首詠んで所定の紙に書き付ける形式が盛んだったのだそう。
天皇は歌だけで署名する必要はなく、その女房も署名することなく、ただ二行目の最初を一段下げるとのこと。
後土御門天皇とその女房、さらに多くの出席者の歌と署名がありました。
文明12年(1480年)の自筆です。驚きました。
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